2011年03月08日

「チェッキーナ」という作品について

ザ・マイナーオペラのこの演目。
典型的なシンデレラストーリーで予習なんて特に必要ないですが、一応情報と筋を乗せておきますね。



ラ・チェッキーナ または 良い娘
La cecchina ossia La buona figliola

台本 カルロ・ゴルドーニ
作曲 ニコロ・ピッチンニ(1760)
初演 1760年2月6日 ダーメ劇場

インテルメッツォからオペラ・ブッファへ独立・発展していく中で、ガルッピの『田舎の哲学者』と並んで当時大流行したブッファ。様々なストーリーの要素が音楽の盛り上がりと共に、次々に畳み掛ける各幕のフィナーレは、モーツァルトのアンサンブル・フィナーレの原点とも言われる。




あらすじ

第1幕 侯爵邸。庭。
花造りの娘チェッキーナは美しい庭を造る喜びを歌っている。そこへ農民のメンゴットが現れ求愛するが、チェッキーナにその気はない。そのままメンゴットが立ち去ると、今度は侯爵が現れてチェッキーナを口説こうとする。実は密かに侯爵を想っているチェッキーナであるが、身分違いの愛情が許されるはずもなく胸の奥にしまっている。そんな中侯爵が愛を打ち明けるとチェッキーナは走り去ってしまう。
農民のサンドリーナがやってくると、侯爵は彼女にチェッキーナとの仲を取り持つように頼む。しかしそれが面白くないサンドリーナは復讐を誓う。侯爵が立ち去った後、ちょうど侯爵の妹の婚約者、騎士アルミドーロが現れるとサンドリーナは早速、侯爵が平民と結婚しようとしている事を告げ口する。アルミドーロは驚いて、平民と結婚するような貴族と親戚にはなれないと自分の結婚についても考え直すと言う。

庭のテラス。
侯爵の妹ルチンダが婚約者のアルミドーロを待っている。そこへアルミドーロは現れるが、侯爵とチェッキーナの結婚すれば、自分たちの結婚がなくなってしまうと言って去る。それを聞いたルチンダは慌てて女中のパオルッチャにチェッキーナを呼びに行かせ、彼女に姉の家へ奉仕に行くよう命令する。

森の中。
チェッキーナは失意の中、村を後にしようとしているが、彼女を探していたパオルッチャとサンドリーナが現れ早く追い出そうとする。そこへメンゴットがちょうどやってきて留めようとするが、女二人がチェッキーナは侯爵の恋人であると言うので怒ってそれをやめる。侯爵もやってくるが、女二人が今度はチェッキーナはメンゴットと行こうとしていると言ってしまうので、侯爵も怒ってしまう。誰も味方がいなくなったチェッキーナは、嘆き悲しむ。




第2幕 森の中。
チェッキーナはアルミドーロの仲間によって町に連れて行かれそうになっている。それを発見したメンゴットは狩人達に頼んでチェッキーナを救う。そんな時に後悔した侯爵がやってきて、チェッキーナを連れて行ってしまう。

庭のテラス。
アルミドーロはルチンダに、チェッキーナを行かせたのでこれで安心だと告げる。だがルチンダは兄の事で結婚できないと匂わせたアルミドーロの愛情を疑う。アルミドーロはこれに私の愛情は決して変わらないと言って立ち去る。
そこへサンドリーナとパオルッチャがやってきてチェッキーナを侯爵が連れ帰り、とある部屋に二人っきりで閉じこもっていると言いに来る。ルチンダは怒りながらもアルミドーロに相談することにする。

庭。
チェッキーナと侯爵が部屋から出てくる。チェッキーナはルチンダに赦しを乞おうとするが侯爵に引き止められる。チェッキーナはそこでつい侯爵への愛を口にしてしまい、伯爵に求婚を受けるが、彼女は侯爵を制止して逃げてしまう。
残された侯爵のもとにドイツ兵士タリアフェッロが現れる。彼は20年前にこの地に置き去りにされた男爵の娘を探しているという。胸のあざからそれがチェッキーナだと判ると男たちは喜び合う。

森の中。
チェッキーナは森で悲しみに暮れながら眠りに落ちる。そこへ侯爵に連れられてタリアフェッロがやってくる。寝言で父親を呼ぶ彼女を見て、思わず彼女を覗き込むと、ちょうどサンドリーナとパオルッチャが現れてチェッキーナがまた男をたぶらかしていると騒ぐ。チェッキーナは訳がわからず、反論するが女二人は聞かない。侯爵が現れると女二人はすぐにこの事を告げ口するが、侯爵は取り合わずチェッキーナを連れ去る。



第3幕 庭のテラス。
侯爵がルチンダ、アルミドーロに今日男爵令嬢と結婚すると告げて去り、ルチンダとアルミドーロは喜ぶ。

庭。
サンドリーナは侯爵がチェッキーナと結婚すると言う話を聞きつけて、絶望するメンゴットに、変わりに自分と結婚しないかと誘う。
伯爵はチェッキーナを呼び出して今日美しい男爵令嬢と結婚するので花束を作ってくれと頼む。チェッキーナはショックを受けるが、実はその男爵令嬢こそチェッキーナであると言われて混乱しながらも次第に喜びを感じ始める。

全員が集まる庭で侯爵はチェッキーナは男爵令嬢で結婚すると宣言すると、皆は驚き、次々に彼女に詫びるが、チェッキーナは自分の方こそと許しを乞い、大団円で幕。

(3/12公演の演出による)
【関連する記事】
posted by さゆりん at 01:17| Comment(0) | チェッキーナ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。